履歴書を書く際のNGワードと注意すべきポイントを解説

履歴書は、面接のチャンスを手に入れるために提出する応募書類の1つです。
自分の経歴や応募に対する意気込みを伝えるための役割を果たします。

就活や転職活動に欠かせない履歴書すが、履歴書に書くべきではないNGワードや誤った言葉遣いの存在を知らない方もいるようです。

今回の記事では、履歴書に記入すると採用担当者に悪い印象を持たれる恐れがあるNGワードについてまとめました。
自分の履歴書にNGワードがないか確認してみてください。

履歴書のNGワード集

早速、履歴書に記入するべきではないNGワードを紹介します。

以下のようなNGワードは、履歴書だけでなく公的書類やビジネスシーンで作成する書類への使用も避けましょう。

NGワード①:話し言葉

言葉には話し言葉と書き言葉があり、話し言葉で文章を書くとビジネスマナー違反になります。

履歴書のような「重要な書類に話し言葉を書くことはない」と考えている方でも、書き言葉だと思い込んでいた言葉が話し言葉に該当する可能性があります。

まず、履歴書などの応募書類に使われやすい代表的な話し言葉が「御社」です。

御社は文字通り、企業に使用する敬称であるものの、話し言葉です。企業を表現する際には話し言葉では「御社」・書き言葉では「貴社」と書かなければいけません。

そのため、履歴書では「貴社」、面接や電話では「御社」のような使い分けができるようにしてください。ふとした時に間違った呼び方にならないために、事前に練習をしておくべきでしょう。

また、話し言葉として認識されずに誤って履歴書に使われやすい言葉の例は以下の通りです。

履歴書に使用するべきではない話し言葉履歴書で使用してもよい書き言葉
なので/だから/ですからそのため/したがって
ですが/でも/だけどしかし
〇〇とか〇〇や
もっとさらに
いつも常に
やっとようやく
いっぱい多く/多い
とても/すごく極めて/非常に/大変
だんだん/少しずつ次第に/徐々に
ちゃんと正しく/きちんと
こんなに/そんなに/あんなに/どんなにこれほど/それほど/あれほど/どれほど

NGワード②:ら抜き言葉

履歴書にはら抜き言葉を使わないように注意してください。

ら抜き言葉とは、本来必要な「ら」を抜いて使用する言葉を指しています。

具体的には「見れる」「出れる」「来れる」「食べれる」「起きれる」などが代表的なら抜き言葉です。
これらは話し言葉で使ってしまいがちな言葉ですが、日本語として正しくありません。
そのため、履歴書はもちろんビジネスシーンでの話し言葉でも使用するべきではないと考えてください。

普段から、ら抜き言葉を使用している方は、履歴書のような重要な書類に無意識でら抜き言葉を用いてしまう傾向があります。

日常的に、ら抜き言葉の使用に慣れないように意識することが大切です。

NGワード③:略称

履歴書に書く企業名・学校名・資格名などは全て正式名称で記入しなければいけません。

株式会社を(株)と書いたり、高等学校を高校と表現したりしないように注意してください。

特に資格名で略称が定着している資格の例は以下の通りです。

・普通自動車免許:普通自動車第一種運転免許
・英検:実用英語技能検定
・漢検:日本漢字能力検定
・簿記:日本商工会議所簿記検定

また、学歴・職歴・資格欄以外の項目でも、アルバイトを略して「バイト」と書くようなミスに注意しましょう。

和暦の平成を「H」昭和を「S」と書くこともやめてください。

略称が正式名称だと勘違いしていないか、事前に確認しておきましょう。

NGワード④:「人事部長様」

役職には敬称が含まれているため、さらに様や殿などの敬称をつけてはいけません。

「人事部長様」という表現は二重敬語であり、誤った敬語に該当します。
正しくは、「株式会社〇〇人事部長〇〇(名前)様」と記入してください。

なお、履歴書を郵送する際の宛名は、以下の例を参考にしましょう。

会社名と部署名しか分からない場合:株式会社〇〇 人事部御中
採用担当者名が分からない場合:株式会社〇〇 人事部 採用担当者様
採用担当者名が分かる場合:株式会社〇〇 人事部 〇〇様
採用担当者名と役職が分かる場合:株式会社〇〇 人事部長 〇〇様

丁寧そうな印象を受けるからという理由で、二重敬語を使用すれば、正しい敬語が使えない応募者だと判断される恐れがあります。

NGワード⑤:「色々」「さまざま」

履歴書では抽象的な表現を避けるべきです。

「色々」「さまざま」などは可能な限り使用せず、具体例を記入してください。

例えば「前職では営業担当として色々な成果を残しました」よりも「前職では売り上げトップセールスマンとして表彰された経験が5回あり、若手営業の育成担当を任された後は営業ノウハウをスムーズに伝えるためのマニュアルを作成しました」の方が、より具体的で印象に残る内容になるでしょう。

また、具体的な説明があることで他の応募者との差別化も図れます。

NGワード⑥:「〇〇と思います」

「〇〇と思います」という言い回しは説得力が低く、自信がないような印象を与えます。履歴書では可能な限り断定した語尾を使うようにしてください。

例えば「貴社に貢献したいと思う」よりも「貢献したいと考えている」、または「頑張りたいと思う」よりも「頑張ります」の方が、自信があり力強いメッセージを与えられるでしょう。

採用担当者に与える印象を優先して、言葉を選ぶとよいでしょう。

履歴書を書く際の注意点

履歴書を書く際には、以下の点にも注意してください。次のような点を把握していれば、読みやすく好印象な履歴書が仕上げられます。

注意①:「である調」「ですます調」のどちらかに統一する

履歴書には「である調」「ですます調」の両方が使用できますが、どちらかの語尾に統一しましょう。

それは、両方の語尾が混在すると、まとまりにくい仕上がりになるためです。

「私が貴社を応募した理由は〇〇です。私は正確に根気よく業務を続けられる人間である。」このように、語尾が混在する状態は避けてください。

「ですます調」は読む相手に丁寧な印象を与え、「である調」は文章の説得力を高めます。

また、履歴書の学歴・職歴欄は体言止めを使用して簡潔にまとめましょう。

注意②:空白を少なくする

履歴書は、可能な限り空白部分を少なくしましょう

空白が目立つ履歴書は、採用担当者に「応募への熱意が低い」「履歴書作成の手を抜いている」と感じられる可能性があるためです。

特に志望動機や自己PRなどのスペースが広くられている欄は、最低でもスペースの8割程度は埋めて、空白が目立たないようにしてください。

ただし、空白を減らすために文字を無闇に大きく書くことはいけません。

また、空白が多い状態とは逆に、小さい文字を詰め込むように書いて、空白が少な過ぎる履歴書も採用担当者への印象が悪くなります。

採用担当者が読みやすい履歴書を作成できるように、文字バランスも意識することが大切です。

注意③:特になしは避ける

資格欄や本人希望記入欄に書くべき内容がない時に「特になし」と書くことは避けてください。

それは、「特になし」という表現に悪い印象を持つ採用担当者もいるためです。

もちろん資格を偽証してはいけませんが、受験予定がある資格や勉強中の資格は「〇〇の資格取得に向けて勉強中」または資格の正式名称を書いた後に「〇年〇月取得を目指しています」と記入します。

特に応募先で役に立つ資格は、資格取得を目指す姿勢がプラスの評価に働くでしょう。

また、本人希望記入欄に書くべき内容が思い当たらない方は「特になし」ではなく「貴社規定に従います」と書いてください。

少し書き方を変えるだけで、読む相手が受ける印象が大きく変わります。

注意④:誤字脱字のチェックを行う

履歴書に多くの誤字脱字があると、採用後の業務中にもミスが多いのではないかと思われる恐れがあります。

さらには、十分な確認をしないまま提出したとして、応募への意欲も疑われてしまうでしょう。

履歴書の誤字脱字を予防するためには、手書きの場合は声に出して読み上げながら再確認する・パソコンで作成した場合は無料の誤字脱字チェックツールを活用するとよいでしょう。

特にパソコンで作成した履歴書は、手書きの履歴書よりもタイプミスによる誤字脱字が発生しやすいことから、提出前にはデータ提出の場合でも一度事前に印刷して最終チェックをしてください。

注意⑤:消せるボールペンや修正テープを使わない

履歴書は公的な書類であるため、修正テープや消せるボールペンで記入してはいけません。

特に手書きの履歴書は修正ができないため、誤字脱字を含むミスを見つけた時には最初から履歴書を書き直します。

どうしても書き直しの時間がない時には、二重線と訂正印で対応してください。

ただし、修正がある履歴書は見栄えが悪くなる可能性が考えられます。1~2カ所以内に留めましょう。

就職・転職活動では正しい敬語を使おう

就職・転職活動では、最低限のビジネスマナーである正しい敬語が使えているかという点を採用担当者に確認されていると考えてください。

敬語表現には以下の3つの種類があり、正しく使い分けることが大切です。

尊敬語:相手を敬う気持ちを表現する
謙譲語:自分を下げて相手を立てる時に使う
丁寧語:丁寧な表現のことであり「です」「ます」「ございます」などが具体例

特に、謙譲語を相手に使用すると自分ではなく相手の立場を下げてしまいます。

例えば「〇〇様が拝見した(謙譲語)ように」という表現は間違いであり「〇〇様がご覧になった(尊敬語)ように」が正しいです。

使用頻度が高い敬語の一覧は、以下を参考にしてください。

尊敬語謙譲語丁寧語
見るご覧になる見る
拝見する
見ます
するされる/なさるいただく
頂戴する
食べます
言うおっしゃる申し上げる
申す
言います
聞くお聞きになる
聞かれる
伺う聞きます
いるいらっしゃる伺う
参る
います
行くいらっしゃる
行かれる
伺う
参る
行きます
帰るお帰りになる失礼する帰ります
来る来られる
お越しになる
お見えになる
いらっしゃる
参る来ます
思う思われる
思いになる
存じる思います
知るご存知存じ上げる
存じる
知ります
読む読まれる
お読みになる
拝読する読みます
食べる召し上がるいただく
頂戴する
食べます

また、丁寧に表現しようと意識し過ぎることで、二重敬語になってしまう方もいます。

敬語を重ねて使用してはいけません。

【尊敬語の二重敬語の例「ご覧になられる」】
「ご覧になる」という尊敬語に「〇〇れる」の尊敬語を加えている。

【謙譲語の二重敬語の例「拝見させていただく」】
「拝見する」という謙譲語に「〇〇させていただく」と言う謙譲語を加えている。

二重敬語は日本語として間違っているだけでなく、文章が周りくどく真意が伝わりにくくなります。

履歴書中の敬語に不安がある方は、インターネットなどで正しい敬語を調べながら文章を作成してください。

まとめ

履歴書作成時には正しい敬語を使用し、履歴書に書くべきではないNGワードに注意しましょう。

敬語の間違いやNGワードが多い履歴書は、内容が優れていたとしても採用担当者に悪い印象を与える恐れがあるためです。

普段使用している・よく聞くような気がする言葉にも間違いがある可能性を考え、履歴書に使う言葉が正しいものであるか確認しましょう。

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