派遣期間の職歴の書き方を詳しく解説:履歴書の記載例も紹介

これまで派遣社員として勤めていた方は、職歴の書き方が分かりにくいと感じるようです。

派遣社員と正社員の経験は、別の書き方をしなければいけません。

今回の記事では派遣社員の職歴が多い方に向けて、正しい履歴書の職歴の書き方をまとめました。
派遣社員向けの職歴の書き方を知りたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

派遣社員としての職歴の書き方

派遣社員としての職歴の書き方について、詳しく説明します。
派遣社員の職歴は、正社員のものとは異なることを知っておきましょう。

①派遣元・派遣先の会社名を分けて書く

派遣社員として勤めた職歴は、派遣元または派遣先の片方ではなく両方の会社名を書きます。

派遣元と派遣先が分かりにくい書き方にならないように注意してください。

また、派遣先の企業の中には守秘義務により会社名が明らかにできないこともあります。

守秘義務を遵守しながら履歴書で就業の事実を伝えるためには、守秘義務により会社名の説明ができない点を説明した上で就業先の業種を書いておいてください。

具体的には、「某(派遣先の業種)にて事務として就業。業務内容及び会社名は守秘義務の関係で記載できません。」のように説明をするとよいでしょう。

面接の場で質問された場合にも、同様の説明をすれば問題ありません。

②派遣期間・業務内容を明記する

派遣社員として務めた職歴は、派遣先で就業した期間と業務内容を明記します。

特に、応募先に関係が深い業務内容は詳しく説明するとよいでしょう。

文章量が増えやすい業務内容の説明については、簡潔な表現ができるようにしてください。

必要な場合には、箇条書きを活用しましょう。

③「入社・退社」を「就業・派遣期間満了」と表記する

派遣社員は、職歴欄で「入社・退社」という言葉は使いません。それは、派遣先と直接雇用関係を結んでいるわけではないためです。

派遣先に派遣されたタイミングを「就業」、契約が終了したタイミングに「派遣期間満了」と記載してください。

派遣元の派遣会社への登録は「登録」と書けばよいでしょう。

また、退職の理由は派遣期間を満了しての退職であれば、「派遣期間満了につき退職」それ以外の場合は「一身上の都合により退職」と書きます。

退職の理由について、履歴書で上記以上の細かな説明をする必要はありません。

④全ての派遣社員としての職歴を書く

派遣社員として複数の企業に派遣されている方でも、履歴書には全ての職歴を書く必要があります。

「派遣先が多いから」「いくつかの派遣契約は短期であるから」などの理由で、職歴を省いてはいけません。

職歴に省略期間があったり前後の職歴を調整したりするような行為があると、経歴詐称に該当する可能性があるためです。

職歴が履歴書の職歴欄に書ききれない場合には、派遣元への登録のみを履歴書に記載し、その他の情報は職務経歴書にまとめましょう。

この際も、可能な限り簡潔に分かりやすくまとめることが大切です。

履歴書に短期間の職歴を書かないことで起こり得る問題については、以下の記事を参考にしてください。

関連記事:履歴書に一年未満の職歴を書かないとどうなる?派遣社員の職歴の書き方を詳しく解説

【ケース別】派遣社員としての職歴の記載例

この章では、派遣社員としての職歴の記載例を紹介します。
自分の職歴に適した内容のものを参考にしてください。

1つの派遣元・派遣先で経験した場合

派遣元・派遣先の両方が1社のみである場合には、次のような書き方が参考になります。

職歴
20204株式会社A(派遣元の会社名)に登録
20205 株式会社B(派遣先の会社名)に営業事務として就業
 営業部にて営業サポートや契約管理を担当
20214派遣期間満了につき退職

派遣元の情報を記載後、派遣先の情報の文頭に1文字分のスペースを開けると、より見やすい仕上がりになります。

派遣元と派遣先が視覚的に分類できるでしょう。

1つの派遣元で複数の派遣先を経験した場合

派遣元の派遣会社は1つで、複数の派遣先に就業した方の職歴は、次のような書き方になります。

職歴
20204株式会社A(派遣元の会社名)に登録
20205 株式会社B(派遣先の会社名)に営業事務として就業(2021年4月まで)
20215 株式会社C(派遣先の会社名)に一般事務として就業(2022年4月まで)
20225 株式会社D(派遣先の会社名)に営業事務として就業(2024年4月まで)
20244派遣期間満了につき退職

上記の例では3社での就業を前提にしていますが、それ以上の就業も同じ書き方で続けて説明してください。

職歴欄のスペースに余裕があれば、それぞれの派遣先の契約終了の年月や派遣先の部署名、業務内容などを細かく説明しましょう。

複数の派遣元・派遣先を経験した場合

複数の派遣元と派遣先を経験した方は、派遣元と派遣先の関係性を分かりやすくまとめる必要があります。

書き方はこれまでの説明と同様に、派遣元の情報と派遣先の情報をそれぞれ記載していきます。

職歴
20204株式会社A(派遣元の会社名)に登録
20205 株式会社B(派遣先の会社名)に営業事務として就業(2021年4月まで)
20215 株式会社C(派遣先の会社名)に営業事務として就業(2022年4月まで)
20224派遣期間満了につき退職
20225株式会社D(派遣元の会社名)に登録
20225 株式会社E(派遣先の会社名)に営業事務として就業(2024年4月まで)
20244派遣期間満了につき退職

派遣元と派遣先が複数存在すると、職歴欄が不足することもあるでしょう。

そのような場合には、職務経歴書に詳細をまとめるようにしてください。

履歴書の職歴には次のように書きます。

職歴
20204株式会社A(派遣元の会社名)に登録
 2020年〜2022年4月の間に2社の企業にて派遣社員として就業
20225株式会社D(派遣元の会社名)に登録
 2022年〜2024年5月の間に1社の企業にて派遣社員として就業
詳細は職務経歴書に記載しております

派遣社員から正社員になった場合

労働者派遣法の改正により、2015年から派遣社員は同事業所で3年間以上勤務できなくなりました。

そのため、3年以上の就業を派遣先と派遣社員の双方が希望した場合には、4年目から直接雇用になるケースもあるようです。

派遣社員から正社員になった経験がある方の職歴は、次の記載例を参考にしてください。

職歴
20204株式会社A(派遣元の会社名)に登録
20205 株式会社B(派遣先の会社名)に営業事務として就業
 営業部にて営業サポートや契約管理を担当
20234派遣期間満了につき退職
20235株式会社Bに正社員として入社
現在に至る

派遣の職歴をアピールするためのポイント

派遣社員としての職歴をアピールする際には、次のポイントを意識しましょう。

ポイント1:応募先企業に合うスキル・経験を優先的に記載する

派遣社員としてさまざまな業界を経験した方は、いくつものスキルを所持しています。

全てのスキルが自分の強みではありますが、特に応募先に関係が深い経験を強くアピールするとよいでしょう。

例えば、事務職と営業職の両方の経験がある方が事務職に応募する場合には、事務職の職歴の方をより詳しく説明することをおすすめします。

また、業務内容のみでなく実際に得た成果や実績も明らかにすれば、より高い評価を得られるでしょう。

ポイント2:複数の派遣元・派遣先を経験している場合はキャリア式で記載する

複数の派遣元・派遣先で就業経験がある方は職歴欄が複雑化しやすいため、キャリア式で職歴をまとめるとよいでしょう。

キャリア式では、時系列で職歴を記載するのではなく業務内容ごとに職歴を分類してまとめます。

特に即戦力となる経験者を求めている企業では、キャリア式の職歴が有効です。

キャリア式の職歴は、応募者の経験が明確に分類されるため、採用担当者にどのようなスキルと経験を所持した人物であるのかが伝わりやすいのです。

ポイント3:派遣期間の具体的なエピソードを志望動機・自己PR欄に記載する

履歴書の志望動機・自己PR欄では、派遣社員として培った強みをアピールしましょう。

派遣社員として培った強みは、次のようなものが挙げられます。

・柔軟性がある
・適応能力が高い
・責任感を持って業務を遂行できる

派遣社員は一つの企業に何十年も派遣されることがなく、短期間で派遣先が変わることも多いです。

そのため、柔軟性があり適応能力も高くなくてはいけません。

また、正社員ではないからこそ、強い責任感を持って職務にあたらなければなりません。

高い評価を受けている派遣社員は、自分では意識していなくても上記のようなスキルを持ち合わせていると言えるでしょう。

履歴書では、自分の能力を具体的なエピソードを交えながら説明してください。

また、これまで派遣社員を選択していた理由と、これから正社員を目指す方は、その理由も明らかにしましょう。

まとめ

派遣社員は、正社員とは別の書き方で職歴をまとめなければいけません。

特に複数の派遣元・派遣先で就業経験がある方は、職歴のボリュームが増える傾向があるでしょう。

内容も複雑になりやすいため、派遣元・派遣先の両方を明確に記載して、職歴を分かりやすくまとめる工夫が必要です。

この記事を参考に、自分の職歴の書き方について考えてみてください。

正しい書き方をすれば、派遣社員時代に培った経験や強みを応募先にアピールできます。

これまでの経験を自分の強みに変えるためにも、正しい職歴の書き方を知りましょう。

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